カルディーとローソンストア100のサバカレーを実食したら欠点はあるもののポテンシャルを感じた
物凄く気になっているわけではないのに、今まで聞いたことのない独特なネーミングがちょっとしたフックになって、いつも心のどこかに引っかかっている、という経験はないだろうか。
ここ数週間の間、私にとってそれが「サバカレー」だった。
サバ+カレー=サバカレー
激烈に分かりやすいネーミングである。見たことのない人でも、一度聞けばほとんどの人がすぐにどんな食べ物かイメージがわくだろう。
そんな独特な食べ物の組み合わせのサバカレーであるが、なぜか一度聞いて以来、いつも心のどこかに引っかかって離れなかったのである。
まったくB級グルメ丸出しな、味よりもショッキング路線で行こうとする料理かとも思ったが、実際はそういうわけでもなさそうだ。
そのサバカレーがローソンストア100で販売されており、しかもあのカルディーでも昨年の12月26日に発売されたばかりという噂を聞きつけ、満を持してどちらも買ってみることにした。
果たして、サバカレーはどんなビジュアルをしているのか?
匂いはどうなのか?どんな状態でサバがカレーの海に浸されているのか?普通のカレーのようにご飯にかけて食べられるものなのか?
それよりなにより単刀直入に言って、美味いのか不味いのか、を自分の舌で確かめることにした!
サバカレーにも23年の歴史あり
サバカレーを食べる前に、私は一つの疑問を解決したいと思った。
それは、「サバカレーって一体いつから世に出てきたのか?」ということ。
私の肌感覚では、「ここ数年じゃねえの?」と思っていたのだが、調べてみるとなんと23年も前に遡るらしい。
きっかけは1996年のドラマに登場した工場で作られた缶詰。
それを千葉県の工場で再現したところ、評判になって今でも根強い人気を誇っているという。
もう世の中のトレンドや流行にまったく不感症になっている自分に嫌気がさすが、令和2年になって初めてサバカレーを食べる機会が訪れたので、早速レポートしてみよう。
カルディーのサバカレー(税込308円)を実食
まずはカルディーで購入したサバカレーを食べてみることにする。
カルディーではご存じのように、コーヒーのみならず多種類の輸入食品が販売されている。
サバカレーがどこにあるのか探してみるが、なかなか見つからない。
サバの水煮なんかも売っていて、最初は「これか?」と思って手に取ってみたが、どこにもカレーの文字は見あたらない。
探すこと10分。
ようやく発見した!
やったよ!サバカレー見つけたよ!
と、心の奥でこっそり叫んで、すぐにレジに並んで購入。
ちなみに、カルディーではまだキャッシュレス決済には対応していないので、「普段はスマホでキャッシュレス決済でしか買い物しないもん」という方はちゃんとお財布を持参して購入するようにしよう。
んで、さっそく家に帰って食べてみることにした。
缶には幾何学模様がデザインされていて、色合いと合わせてみるとカレーだけにインド感を演出。
サバとカレールーの容器が交互に描かれており、中央部分には「国産さば」の文字が踊り安心感を与える。
原材料を見てみると、当然ながらさばやカレー粉が入っている。
他にも、香辛料、クミン、コリアンダー、パプリカなども入っていて、否応にも期待が高まってくる。
早く食いたくなってきたぞおい!
缶を開けると…
香辛料の刺激的な香りが鼻の粘膜にアタックしてくる。本格的なカレーであることを五感にアピールしてきた。
早く食わせろよおい!
だが、このままご飯に添えて食べたら冷たいままだ。
まあ待て落ち着け。
しっかりレンチンして食べようではないか。
どれどれ…
時間は30~40秒ほどでいいだろう。
ちゃんと耐熱皿で温めることをおすすめする。
サバの存在感。
おれが世に言うところの、サバだ。
と言わんばかりの威圧である。さすが、サバカレーの主役を張るだけあってオーラをビンビン感じる。
カレーの方はけっこうサラサラしている。
スープカレーに近いと思って頂いていいだろう。
サバを食べやすい大きさに切り、ご飯、カレーをスプーンに乗せて実食!
…なるほどなるほど。
ハイハイハイハイ。
普通にうめえじゃねえか。
サバもほろりと口の中で崩れ、サバ缶のサバそのものである。
カレーも見た目通り、しっかり香辛料が効いていて辛さは中辛程度。
なんちゃってカレーではない、普通に本格的なカレーである。
香辛料のニオイが鼻の粘膜を刺激するので、食欲がふつふつと湧いて出てくる。
具材はサバしか入っていないから、野菜の甘味などは当然ながら感じられないのだが、カレーだけでも全然いけるレベルだ。
大きめのサバの切り身が2つ入っているので、食べ応えもある。
食べ盛りの男子には十分な量とは言えないが、サラダを別皿に添えて食べればそれなりに腹は満たされる。
やや塩辛い
ただ1点、苦言をするならちょっとカレーが塩辛い。
これはサバの塩気がカレーにそのまま乗り移ったためと思われる。
この塩辛さが香辛料のスパイシーさをやや打ち消してしまっているのが残念だ。
もちろん、味覚は主観に大きく左右されるので、人によっては丁度良いと感じるかもしれない、ということを付記しておく。
ちなみに私の場合、ご飯を少し多めによそってしまったため、カレーとのバランスが悪くなってしまった。
これから食べるぞって方は、ご飯は控えめにしておいた方がいいだろう。
ローソンストア100のサバカレー(税込108円)を実食
次に食べたのが、ローソンストアー100で購入したサバカレーだ。
缶詰を開けるとスパイシーな香りが…
しない。ん?しないよな、うん全然しないのだ。
スパイシーさは見事にゼロである。
原材料を確認してみた。香辛料と思われる材料は一切含まれていないようである。
カレールーもドロッとした感じで、この点もサラッとしたカルディーのカレーとは違う。
カルディーと同様、レンチンしてみた!
待つこと30秒…
ラップをはずしてみると、ドロッとしていたカレーがサラッとなっていた。熱によって化学変化が起こったのかもしれない。
更に盛り付けてみると、大きめのサバの切り身が1つと、小さめの崩れたと思われる切り身が数個入っていた。
サバの分量はカルディーとほぼ同じだ。小さめに崩れている分、ローソンストア100のサバの方が食べやすくはなっている。
だが、温めていてもノンスパイシーなカレーであることに変わりはない。
実食してみると、やや酸味を感じる。
なんだ、この酸味は…?
再び原材料を確認してみる。
酢が入っている。
どうりで酸味を感じるわけだ。
どうしてカレーに酢が必要だったのか、カレーに酢を入れなければならない何か言うに言われぬ深い事情があったのかわからないが、味覚の中で圧倒的に酸味の苦手な私には超プライベートゾーンである口腔内への不法侵入としか思われなかった。
これもあくまで主観的感想なので、酢があることで美味いんだよ!という人もいるかもしれない。
だから、酢は必要ないと一刀両断に否定するつもりはない。
サバはカルディー同様、旨味があって普通に美味い。
カレーの主張が弱い
だがカレーは、先ほどから何度も言うように、香辛料がはいっていないために、ノンスパイシーでカレーを食べている気があまりしない。
風味はなんとなく感じるのだがいかんせん、カレーの主張が弱い。
ほとんどカレーの声が聞こえない。おーいと呼んでも返事が返ってこない。返事はしているのだろうが、ほとんど聞き取れないほど、か細い声なのである。
サバカレー自体の分量はカルディーより30g少ないので、気をつけていたつもりなのだがまたご飯が余ってしまった。
大胆にもっと減らすべきだったのかも知れない。
これから食べるぞという方は、ご飯茶碗に軽く1杯程度にしておいたほうが良さそうである。
カルディーのサバカレーに軍配
カルディーのサバカレーとローソンストア100のサバカレー。
両方を食べてどちらが美味いかと聞かれれば、やはり値段の差もあり、カルディーのほうである。
サバ自体には大きな差はなかったが、やはり勝敗を分けたのはカレーである。
しっかり香辛料を入れて本格的なカレーにまで作りこんだのか、それともカレー粉だけを入れて“なんちゃってカレー”で済ませたのかで大きな差が出た。
もちろんローソンストア100は100円で販売しないといけないという縛りがあるので、ここまでが精一杯だったのだろう。
食事としての楽しみたい人にはカルディーのサバカレーをおすすめする。
食事というよりご飯のおかず、あるいは軽食として求めるならローソンストア100のサバカレーをおすすめする。
これからどんどんサバカレーの認知度が上がり、支持を得られればほかのメーカーからもサバカレー市場に続々と参入してくる可能性も考えられる。
今後のサバカレーのポテンシャルに期待したい。