森美術館の「未来と芸術展」に行ったら最先端の研究者たちが斜め上すぎる未来を予測していて震えた

当たり前の話だが、未来は予測不能である。

 

時代の最前線で研究をしているどんなに偉い先生でも「未来はこうなる!」と断言なんて出来ない。出来るはずがない。いや、もう出来てたまるかである。

 

だが、きっとこんな感じになるかもしれない、と大まかな道筋を示すことは可能だろう。それが実現しようがしまいが、右か左かくらいの当たりはつけられそうである。

 

そんな、恐らくこんなベクトルで未来に進んでいるはず、という未来予想図を具代的な形で示してくれているのが、森美術館で開催中の「未来と芸術展」だ。 f:id:iwashi000:20200121090734j:plain

率直な感想は「ぶっ飛んでる」「ホントにこんな風になるのか?」である。

 

ちょっと強引じゃないか、と感じる展示もあったが、「そうなってもおかしくない」とリアリティーの感じられる未来予想図もあった。

 

総じていうと、かなり興味深いし楽しめる。

 

私は朝10時半に入場し、鑑賞が終わったのがもう昼の1時半だったから3時間もいたことになる。 途中トイレに行きたかったが、トイレがなく我慢せざるを得ないという膀胱の酷使を強いられるハプニングがあったが、最後まで見応え十分で行く価値はあると断言してもいい。

 

それでは、見どころを厳選してお伝えしよう。

国会議事堂上空に浮かぶ都市空間「NEO出島」

霞が関や国会議事堂上空に都市空間を浮かばせ、現代の「出島」の役割を担わせる。

 

そんな想像力豊か過ぎる構想を打ち出したのが、シュールな作品で有名な現代美術家会田誠さんだ。

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アジアのハブとしてのポジションを奪還するのが目的だという。

 

官庁街の上空に作ったのは、エリート主義や格差社会へのアンチテーゼということらしい。

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霞が関やら国会議事堂やらは太陽が当たらず、さぞかしジメジメしているだろう。

 

ずっと日陰で低温が保たれているから、天然のワインセラーのような役割は果たせそうだ。

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食用ごきぶり?!名付けて「ポップローチ」

近年、世界的に昆虫色がブームだが、ついにゴキまで食べるようになるのか。

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私自身は、コオロギの佃煮なら食べたことはあるが、それ以外の昆虫は食べたこともないし食べようとも思ったことがない。ましてゴキブリをや、である。

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うげげげげ!食卓にこんなのが並んだら、即家出レベルである。

 

ポップなカラーのゴキブリ(コックローチ)=ポップローチが並んでいるが、「エナジー・バナナ」や「リラックス・ミント」など5種類の風味が楽しめるようである。

 

人口増加による食糧不足対策として提案されたこのゴキブリ食。

 

ご存じのようにゴキブリは繁殖能力が高く、一度に何十匹の子供を産むことができるので食糧不足解決には打ってつけの昆虫らしい。

 

個人的にはどんな飢餓状態でもゴキブリを食べようとは思わないが、皆さんはどうだろうか。

3Dプリンタで作る寿司

近い将来、実現してもおかしくないのではないか。本展示中でも最も実現性が高そうなアイディアの1つだ。

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3Dプリンターで作るなら寿司職人いらないじゃないかって話だけど、今の回転寿司店なんかでも本物の寿司職人がいなくても、十分美味しい寿司がグルグル回ってくる。

 

そうすると、寿司職人は確実に絶滅危惧種になるはずだ。

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3Dプリンターから出てくる寿司をサーブするだけの「寿司職人風」の高齢アルバイト店員がカウンターの前で陣取っている風景が、あちこちの寿司屋でみられるようになるかもしれない。

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培養された細胞で作ったマグロ。

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粉末を固めたウニの外殻風のウニ。

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イカの城。精巧すぎてもはやプラモデル。

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吸盤つきのタコ。割と美味しそうだが、吸盤NGな方には向いていないだろう。

 

こんな寿司屋があれば、一度は行ってみたい。

外科手術で身体機能を強化した新生児

産まれたばかりの新生児に外科手術を施し、ミラクルスーパーな人間にデザインするという。

 

例えば、 地球温暖化対策として、体の皮膚を伸ばすことで熱の放散を促し高温下でも耐えられるようにする体温調整皮膚形成手術。

 

あるいは、頬の内側に拡張クリップを埋め込むことで、ハムスターのように頬が膨らみ、カフェインの摂取が効率的に行われるという。

 

そうすれば、ストレスにも容易に耐えられるスーパーな人間が出来上がるのだそうだ。

 

もうなんのこっちゃの世界である。

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ここまできたら、筋肉増強手術でマッチョになった新生児による新生児オリンピックや、言語機能を強化した新生児によるディベート大会やらカオスなイベントが盛り沢山に開かれそうである。

 

まぁそれはそれで面白そうではあるが…。

オランウータンと人間の交配

オランウータンと人間を交配させると、こんな風呂上がりの老婆みたいになるようだ。

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遠方から眺めても近くから眺めても、異次元すぎる姿に脳が小刻みに揺れてしまうので注意が必要だ。

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よく見ると、アルコールを存分に堪能したような恍惚感とほろ酔い気分に似た何かが伝わってくる。

 

表情は人間に激似だが、骨格はウータンそのものである。

 

こんなのが畳の上に座っていたらホラーでしかない。

死を看取る末期医療ロボット

最新のデータによると、日本の生涯未婚率は男性が23.4%、女性が14.1%という。

 

40代も半ばを迎えようとしている私も独身者で、結婚する予定は今のところない。

 

未婚率は右肩上がりに上昇しているが、離婚率も年々増加しており、ますます独身者が増えていく日本では、孤独死など多くの問題を抱えているのはご存じの通りだ。

 

そんな孤独な高齢者を救う一手として、「末期医療ロボット」はあるのかもしれない。

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ロボット『あなたはもうすぐ死を迎えます』

あ な た 『・・・』

ロボット『でも大丈夫。快適な旅立ちになるよう、最期の時をご案内します』

あ な た 『・・・』

 

(優しくあなたの腕をさするロボット)

 

ロボット『ご家族、友人が来られず残念ですが、大丈夫、わたしが慰めてさしあげます』

あ な た 『・・・』

 

(優しくあなたの腕をさするロボット)

 

ロボット『一人ぼっちじゃありませんよ、わたしがいますから』

あ な た 『・・・』

 

(優しくあなたの腕をさするロボット)

 

ロボット『快適な死をお迎えください』

あ な た 『・・・』

ロボット『死亡時刻11:45』

 

(・・・・・・・)

 

ロボット『さようなら』

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まだ孤独死の方がましだわ!と思うか、ロボットでもいいから看取られて逝きたいと思うかは、人によるだろう。

 

でも近い未来、こんな光景が病院や住宅で現実に見られる日が来るかもしれないという、背筋が冷たくなるような現実感がある。

 

こんなメカニックなロボットではなく、人間の姿をまとったAIであればさらにリアリティーがある。

一見の価値あり

いかがだっただろうか?

 

個人的に気になる部分だけを切り取ってお伝えしたが、まだたくさん興味深い未来予想図があり、あとは自分の目で確かめて頂くしかない。

 

私は時間を忘れるくらい面白かったし、また行ってみたいと思った。

 

最先端の研究の成果がサクッと見られるので、一見の価値ありである。

 

お土産のユーグレナクッキー

併設のショップでは書籍やTシャツなど様々なグッズが販売されていたが、私が購入したのはコレ。

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ユーグレナクッキー!

 

ユーグレナは学名で、一般的には「ミドリムシ」と呼ばれている。

 

ミドリムシは藻の一種で、植物と動物療法の性質を併せ持つハイブリッドな生き物。

 

そのため栄養素も豊富に含まれているようで、その数なんと59種類。すげえなオイ。

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 これを活用しない手はないってことで、「クッキーにしちゃいました☆彡」的なノリで作られたかどうかは分からないが、とにかく最近注目の食材である。

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 5枚入って540円(税込)。

 

1枚108円とはなかなか強気な値段設定だが、手が出ない値段ではないところがニクイ。

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クッキー1枚当たり、2億匹のミドリムシが含まれているそうな。

 

5枚全部食べれば10億匹のミドリムシさんを体の中に取り入れることになるという、なかなかシュールな体験ができる。

 

ちなみに味の方は、いたって普通のクッキーだ。

 

ミドリムシの味がどういうものか分からないが、少なくともミドリムシ的な味はしなかったようである。

 

ゲテモノの苦手な人でも美味しく食べられるので、「未来と芸術展」に行ったら興味ある方は買って食べてみることをおすすめする。